サルタの絵本しょうかい

長い間愛されつづけてきた、すてきな絵本を紹介します。

シリーズ3作目、小太郎の危機 ”くろずみ小太郎旅日記 その3 妖鬼アメフラシ姫の巻”

"くろずみ小太郎旅日記 その3 妖鬼アメフラシ姫の巻"



作・文  飯野和好    絵 飯野和好

出版社 クレヨンハウス  出版日 2000.8

 

 

 

 

 

小太郎は生まれて初めて海を見ます。


その広さに感動していると、紫色の雨が降ってきます。


砂浜には美しい娘がこちらを見つめています。


でも、なにやら怪しい妖気が漂ってきて、小太郎は後ろに飛びのきます。


娘は笑いながら大きなアメフラシに姿を変えるのです。


「むーっ あやしいやつ」 その姿、とにかくあやしすぎるくらいあやしい。


アメフラシってご存知でしょうか?


 ウミウシのなかまの軟体動物です。


30cmくらいのナメクジみたいなやつです。


小太郎がすばやく七輪になって真っ赤な炭を飛ばしても、妖鬼アメフラシは気持ちの悪い紫の汁で消してしまいます。


小太郎の体がしびれてきました。


小太郎危うし!


 今回、小太郎はどうやって危機を脱出したのでしょうか?


 20歳のころ、作者が実際にアメフラシと出会ったときの妖しい感動がベースになっているそうです。

シリーズ3作目。

 

 

 

戦争が終わって、美しい村へ再び 絵本”せかいいち うつくしい ぼくの村”

"せかいいち うつくしい ぼくの村"

作・文  小林 豊    絵 小林 豊

出版社 ポプラ社  出版日 1995.12

 

 

 

 

 

すもも、さくら、なし、ピスタチオ。


そんな花々が咲き乱れる春。


夏にはそのふとった実をみんなで取ります。


村中に甘い香りが満ち溢れる取り入れの楽しい季節です。


ヤモは取り入れた果物をロバに乗せ、とうさんを手伝って町に売りに行くことになりました。


村の季節の情景や町に向かう道の向こうにそびえる山々。


そして町の市場のにぎやかな様子。

実際にこんな町や村を訪れた作者の絵筆で、淡いトーンを基調に美しく描かれています。


親子は果物を全部売った代金で子羊を買って村に戻ってきます。


とても夕日が美しい。


ただ、ヤモの兄さんが戦争に行っていることが初めか書かれていて、美しさの底に黒い流れがあるのです。


最後にそれが表に現れます。


冬にはもうヤモの村は戦争で破壊され、なくなってしまったのです。


内戦が一日も早く終わり、国外に非難した人々がこの世界一美しい村へ再び戻ってこれるように、作者と一緒に願わずにはいられません。

 

 

 

とても勇気の出る絵本です。”とべバッタ”

"とべバッタ"

作・文  田島征三    絵 田島征三

出版社 偕成社  出版日 1988.7

 

 

 

 

 

バッタに襲いかかるカエル、クモ、ヘビ、トリ、カマキリたちが、怪獣のようです。


そんな圧倒され迫力ある絵が展開していきます。


バッタはいつもびくびく暮らしていました。


ある日、そんなおびえながら生きていくのが嫌になったのです。


そこで決意しました。


岩の上でゆうゆうと日向ぼっこを始めたのです。


案の定、「怪獣」たちが襲いかかって来ました。


バッタはそんなことは百も承知です。


襲われる寸前、死にものぐるいで飛んだのです。


さあ、何が起こったのでしょうか。

 

まさか!

 と思うほどバッタは格好いいのです。

 


 でも奇跡は一瞬です。

 

後は自分の力で何とかしなくてはいけません。


格好が悪くたって、馬鹿にされたって、そんなこと気にしていられません。

 

自分の足でしっかっかり・・・、です。

ぜひ子どもに読んであげたい、とても勇気の出る絵本です。

 

 

 

「にじいろのさかな」シリーズの絵本 ”にじいろの さかなと おおくじら”

"いろ と おおくじら"



作・文  マーカス・フィスター   

訳 谷川俊太郎 絵 マーカス・フィスター

出版社 講談社  出版日 1999.10.15

 

 

 

 

 

きらきら、銀色に輝くうろこを一枚ずつ持つにじいろ魚の仲間たちが、遠い海の底で平和な日々を過ごしていました。


そこにはプランクトンがたくさんいて、にじいろ魚たちはただ口を開けていればいつもおなか一杯になるのでした。


そこにとしよりなクジラがやってきます。


クジラもプランクトンを食べます。


きらきらするにじいろ魚を見つめながらクジラは、うっとりとすごしていました。


ところがぎざぎざひれの魚がみんなにささやきます。


「なんであいつは、あんなふうにぼくらを見るんだ?」

 魚たちの間でクジラに対する疑惑が膨らんでいきます。

クジラも魚たちの自分を警戒する声に腹を立てます。


ついにクジラが怒って、魚たちを蹴散らすことに・・・。

プランクトンもいなくなってしまいます。


このままではいけない。


にじいろ魚は事態の収拾に乗り出します。


さて、和平会談はどのような展開になっていくのでしょうか?


「にじいろのさかな」シリーズの一冊です。。

 

 

ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞の絵本 ”ねこのはなびや”

"ねこのはなびや"

作・文  渡辺有一    渡辺有一

出版社 フレーベル館  出版日 2001.8

 

 

今夜は海の花火大会だ。


しろねこ組とくろねこ組と、とらねこ組の競演が夜空に繰り広げられる。


どの組が勝つかはお客さんの歓声と拍手で決まる。


さあ、出発だ! ワッセ、ワッセ!
 開始時間はお日さまが沈むとき。


今だ! シュル シュル シュル ボーン。


とてもテンポがよく、リズムにのった文章が、威勢よく打ち上げられる夏の夜の花火大会を盛り上げていきます。


それに加えて、花火の描き方が豪快で彩りも豊か。


はじけるような迫力が伝わってきます。


ちょうちょ花火やトンボ花火も打ち上げられたかと思ったら、こんどはタコやイカ、トビウオも出てきて最後はクジラまで夜空に上がってきました。


ねこざかな」でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、「はしれ、きたかぜ号」で絵本にっぽん賞を受賞した作者の、絵本ならではの作品です。

 

 

「くまのがっこう」シリーズの絵本 ”ジャッキーのパンやさん”

"ジャッキーのパンやさん"

作・文  あいはら ひろゆき    あだち なみ

出版社 ブロンズ新社 出版日 2003.2.25

 

くまの学校のくまの子たちは全部で12ひき。


上から11人が男の子。


12番目のジャッキーだけが女の子です。


でも一番やんちゃなのです。


自分ではみんなのお姉さん代わりだと思っています。


今日はバザーの日。


パンを作って売ることを1年も前から決めていました。


グズベリーラズベリーの実を集めます。


ハチみつをとって、大きなカボチャをよっこらしょ!


 ミルク、粉、ふくらし粉を混ぜてかきまぜます。


1時間ほど焼いて大きなカボチャパンの出来上がり。


と思ったら、ジャッキーが上に乗ってぺしゃんこに。


これじゃ売れない。


兄さんたちはぷんぷん。


でもジャッキーは売りにいきます。


でも、売れません。


誰も来ません。


そのうちに雨が降ってきました。

すると、誰かが「ください」って いったい誰?


 「くまのがっこう」シリーズ、いつも事件を起こすのはジャッキーですね。


 かわいくて、とてもほほえましい絵本です。

 

 

そのまま部屋に飾ってみたいような絵本 ”さとうきび畑”

"さとうきび畑"

作・文  詩  寺島尚彦    葉 祥明

出版社 二見書房   出版日 2002.8.5

 

ざわわ ざわわ ざわわ 広いさとうきび畑は ざわわ ざわわ ざわわ 風が通りぬけるだけ・・・、で始まるあの名曲。


作詞作曲はすでに半世紀以上の作曲活動を展開している寺島尚彦氏。


あの東京オリンピックが開催された1964年、氏が沖縄を始めて訪れたときの印象と衝撃をもとに作られた曲だそうです。


戦争で亡くなった父への想いと、平和への願いがオーバーラップしてさとうきび畑を吹きぬけていきます。


画家としても有名な葉 祥明氏がその情景を、一本一本のさとうきびにまで丁寧に筆を入れて描きあげています。


見開きのページがそのまま部屋に飾ってみたいような作品に仕上がっています。


世界のいたるところで繰り広げられる戦乱。


暗く殺伐としたニュースの後に、本棚から取り出して心を癒すような絵と詩があれば・・・。


そんな、いつもそばに置いておきたいような絵本です。。

 

 

くぐると変身するトンネルのお話 絵本 ”へんしんトンネル”

"へんしんトンネル"

作・文  あきやまただし    あきやまただし

出版社 金の星社   出版日 2002.9

 

このトンネルをくぐると、なぜか変身してしまいます。


「かっぱ、かっぱ・・・」とかっぱがくぐると、ぱかっ、ぱかっと元気な馬が飛び出します。


「とけい、とけい・・・」と時計がくぐると、毛糸が出てきます。


なんとなく予想がつきそうですね。


では問題。ぼたん、ぼたんだったら?


 そうです、田んぼですね。


ロボ、ロボのロボットはボロボロになって出てくるし、「こらっ!」って怒った人は、そう、もちろんラッコになっちゃいます。


中にはぶたのぶーちゃんがくぐってチャンブーになっちゃったのもあって・・・。


なんだ?チャンブーって?


 でも絵を見るとなんとなくチャンブーっていう気にもなってきます。


そうか、これこそチャンブーなんだって!変身前のぺーじがあって、めくると変身後のページがあるので、問題のだしっこができるかもしれません。


オリジナル変身トンネルを作ってみても楽しいでしょうね。

 

 

あるペンキやの生涯の物語が語られている絵本 ”ペンキや”

"ペンキや"

作・文  梨木香歩    出久根育

出版社 理論社   出版日 2002.12

 

塗装店でペンキや見習いとして働く、しんや


ペンキ塗りは見た目よりずっと難しい仕事でした。


お客様の注文どおりの色を出すのにとても苦労します。


ブルーグレイといわれても、「緑が入っている」とか「赤っぽい」とか「もっと寒々とした透き通った色に」とか、なかなか気に入ってもらえません。


しんやのお父さんもペンキ塗りでしたが、しんやを見ることもなく、フランスでなくなったそうです。


お墓には『不世出のペンキやここにねむる』と書いてあるそうです。


しんやも決心してフランスに行ってみることにしました。


船で働きながら、空の色や海の色が変化していくのを見るのが楽しみでした。


ある霧の立ちこめた日、しんやの前に一人の女の人が現れます。


「いつかこの船を、ユトリロの白で塗ってほしい」とたのむのです。


ユトリロの白ってどんな色なのでしょうか? しんやの生涯の物語が語られていき、最後にその色の秘密が明らかにされます。


ヨーロッパの香りと色彩が感じられる、味わい深い作品です。

 

 

遠足の情景がいっぱいに広がった、絵本 "えんそくバス"

"えんそくバス"

作・文  中川ひろたか    村上康成

出版社 童心社   出版日 1998.3.30

 

あしたは待ちに待った楽しい遠足の日です。


園長先生がみんなに注意します。


「寝坊しないように、お弁当忘れないように」 その夜、園長先生はなかなか寝付けませんでした。


明日の遠足がとても楽しみだったからです。


朝になっていよいよ遠足バスの出発です。


みんな乗りましたか?


 「はーい」 バスは動き出しました。


右に曲がって左に曲がって、がたがた道を通って、公園に着きました。


楽しい遊具がいっぱいあります。


みんな思いっきり遊んだ後は、お腹がすいてお弁当。


そこへ「おーい!」 あっ、園長先生を忘れてた!


 園長先生、寝坊して遅刻して、お弁当まで忘れたそうです。


でも大丈夫!


 みんなのお弁当から少しづつ分けてあげる。


遠足の情景がいっぱいに広がった、うきうきするような絵本。


作者の中川さんは保育園の保父さん経験もあるそうです。